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特殊装備・災害予防 大規模安全対策
特殊装備・災害予防 大規模安全対策

津波対策用補助構造

津波対策用補助構造

特徴

  • 縦穴に落下させることで、強大な津波エネルギーを大幅に減少
  • 地下中空ブロック構造により、津波のエネルギーと流れを吸収
  • 防波堤の高さを抑制するとともに、景観と住環境も確保

【A】海側に嵩上げ部がある場合の基本構造

  • 陸地に向かってさかのぼる津波を凹状溝部に自由落下させ、消波ブロックの効果と合わせて強大な津波のエネルギーを大幅に減衰させることができます。津波が到達する事態を回避、ないし遅らせることができます。
  • 嵩上げ部の高低差がより多くのエネルギーを減衰できます。この嵩上げ部は、凹状溝部の形成によって生じた残土を利用して形成するため新たな材料を必要とせずに成型でき、迅速な津波対策の構築が可能になります。
  • 凹状溝部の側壁、底面、および嵩上げ部の表面をコンクリート製のシート部材で覆い強度を向上。津波によって崩壊することがなく、長期にわたり形状や構造を維持することができます。
  • 防波堤が津波のエネルギーを直接受けないため、防波堤の強度や高さを抑制することができます。また、ある程度景観や住環境を確保でき、観光資源が損なわれることもありません。
  • 凹状溝部の底部に堆積物を貯留する貯留部を形成してあるため、砂や木屑などが凹状溝部に入り込んでも深さを長期に渡って維持する事ができます。

 

【B】陸側に嵩上げ部がある場合の基本構造

  • 防波堤を越えた津波を凹状溝部に自由落下させ、消波ブロックによる効果と合わせて大きな津波のエネルギーを大幅に減衰させることができます。津波が到達する事態を回避、ないし遅らせることができます。
  • 嵩上げ部の高低差がより多くのエネルギーを減衰できます。この嵩上げ部は、凹状溝部の形成によって生じた残土を利用して形成するため新たな材料を必要とせずに成型でき、迅速な津波対策の構築が可能になります。
  • 凹状溝部の側壁、底面、および嵩上げ部の表面をコンクリート製のシート部材で覆い、構造部およびその周辺部の強度が向上し津波によって崩壊することがなく、長期にわたり形状や構造を維持することができます。
  • 凹状溝部の底部に堆積物を貯留する貯留部を形成してあるため、砂や木屑などが凹状溝部に入り込んでも深さを長期に渡って維持する事ができます。
  • 凹状溝部を越えて遡上した津波は、水抜流路を通って再度底部に凹状溝部に流れ込む構造になっており、陸側に流れにくくなっています。また、津波が引く際も嵩上げ部に邪魔されることなく円滑に凹状溝部に内に戻るようになっています。

その他の構造


廃土を利用して道路を構築することで防波堤と道路の両方を津波対策として活用できます。堤防を二重に整備することができるため、優れた津波対策になります。

▲凹状溝部の上面の一部をネットや橋などにより被うと、大きな凹状溝部を形成しても当該地域の住人の生活に支障を生じさせることなく構築する事が可能です。階段やエレベーターなどの設置することで住民生活の利便性も向上します。

コケによる構造の緑化


▲コケの緑化システムを適用することで、景観の向上、構造の劣化防止、CO2の吸収・個定化などの効果があります。コケは土壌なしで生育でき、雨水のみで対応できるためランニングコストがかかりません。さらに、シート部材の「コンクリート・シート」は表面が繊維状になっているため、コケの植生には最適です。
コケの緑化システムは、植生以外にもコケを植生したパネルを設置する工法もあり、様々な場所に設置する事が可能です。

<構造への設置イメージ>
 

コンクリート製のシート部材について


▲シート部材には水(海水も可)をかけるだけで硬化する「コンクリート・シート」を採用。
裏面に防水加工が施され、ひび割れが生じにくく、劣化も少ないため凹状溝部や嵩上げ部などの耐久性を向上させる事ができます。
また、容易に搬送、敷設が可能なため、構築を極めて迅速に行う事ができます。

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消波ブロックの構造について

【消波ブロック「ポカラ」の特徴】
・ 立法体の内部を円筒形でくりぬいた無筋コンクリート・ブロック。
・ 空隙率が多く、軽量のため多くの工法に適用が可能。
・ 水を呼び込み、水を排出し、軽くても水に浮かない構造体。
・ 通常の立方体の20%の材料で製造できます。
・ 接合部をプラスチックにしても高い強度を保持する事ができます。

凹状溝部の内部に設置する消波ブロックは「ポカラ」と呼ばれるコンクリート・ブロックを採用します。
ポカラは立方体状をした中空コンクリート製のブロックで、内部に海水が入りやすい構造になっています。多量の海水が流入することで津波のエネルギーを減衰させることができ、設置する作業性の面でも最適です。
凹状溝部内部において上昇した津波は、新たに落下してきた津波と衝突することによって津波エネルギーをさらに減衰させる事ができます。

①ポカラの中空構造の中を通過することにより、津波の落下エネルギーを大幅に減衰させます。
②ポカラの中空構造の中を通過することにより、津波の落下エネルギーを大幅に減衰させます。


津波のエネルギーを分散させるための地下構造を備えています。
地下構造の深さや高低差、距離およびその形状は現地の地形、立地条件、想定される津波の大きさに応じたものを適用されます。